五粮液(Wu Liang Ye)の飲み比べ

 

ネットで2006年に製造された五粮液を購入しました。
そこで、私が持っていた2016年の五粮液と飲み比べて見ようと思いました。
アルコール度数はどちらも52度。
中国では年数が古い白酒ほど高値で取引されるため、本当にそれだけの価値があるのかどうか・・・

さて、
まず私の頭の中には「蒸留酒は瓶で熟成しない」という持論があります。
ウイスキーにしても樽からボトリングした段階で樽エキスが出なくなるわけですから。
もちろんこの理屈が正しいかどうかはわかりません。
保存環境やロットによる違いもあるでしょうし。
この理屈に当てはめれば白酒も熟成する事はなく、高値で取引される古酒を買う理由もありません。
しかし、貴州茅台酒は古酒になればなるほどウナギ登りに価格が上がります。
貴州茅台酒は陶器ではありますが、熟成させるような陶器ではない。
五粮液は完全なる瓶。
今回はそんな新旧の五粮液を飲み比べて見ました。

まずは簡単にボトルの比較から。

【外見①】
右が新ボトル、左が旧ボトル。
封印のシールが違います。

【2016年のボトル】
うん、2016年です。

【2006年のボトル】
間違いなく2006と書かれている。

【外見②】
キャップの凸凹、他のお酒を詰められないようにする逆流弁?の構造も違う。

 

さて、肝心の味見を。
新ボトルの方は時々飲んでいたので「いつもの五粮液な味」です。
旧ボトルを飲んでみると・・・
確かに匂いも味も五粮液で間違いないのだが後味が違う。
強烈なアルコールの刺激が大幅に減り、後味にやや苦味がある。
苦味といっても不味い苦味ではなく、原料の味なのかはわからないが「味わえる酒」に感じられる。
飲んだ瞬間はどちらも五粮液だが余韻が違うといったところ。
「どちらが好きか?」と聞かれれば旧ボトルと答えますが、「プレミア価格で古酒を買うか?」と聞かれれば微妙。
ロットの違いと言われれば納得してしまう程度の違いでしかないような気がする。
もし、貴州茅台酒も同様の違いしかないのであれば、高い値段を出してまで古酒を買う必要はないのかなとも思います。

あくまでも白酒歴5年の私の味覚による解釈なので悪しからず。
それにしても、日本人で白酒の評論をしている人なんてレアかもしれません(笑)
相変わらず「中国=紹興酒」と思っている人が大半で、白酒を買うなんて人は限られてますからね(そもそも日本では限られた銘柄しか買えない)